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EU原子力ストレステスト Q&A
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6月1日からEUで実施されているストレステストの詳細について、
EUの運営するサイトEUROPAに掲載されているQ&Aです。



原子力ストレステストとは何か?

福島の原発事故を受けて作成された、追加の安全性基準一式をいう。これらEUの広範な検査は、既存の安全基準に加えて、国家的レベルで実施される。その目的は、原子力発電所のライセンス供与で使用されている安全域が、不測の事態を十分カバーできるかどうか評価することである。

また、日本で起こったことから学び、ヨーロッパで同様の事故が起こるのを未然に防ぐのを促進することである。描き出された教訓の最も重要なことのひとつは、想定外のことが起こりうるということだ。つまり、ふたつの自然災害が同時に襲い、電力供給システムを完全にダウンさせてしまったことだ。日本の発電所は、地震には耐えたが、核燃料を冷すのに必要な電力供給が津波で途絶えてしまった。燃料を冷すことができなければ、土壌や水中への放射能漏れを伴う炉心溶融(メルトダウン)を引き起こすリスクがある。

ストレステストでは何を評価するか?

原子力発電所が、次の項目に耐えるかどうかを評価する。

1.自然災害 : 地震、洪水、寒波、厳暑、雪、氷、嵐、竜巻、豪雨、その他厳しい自然状況

2.人為災害 : 原子力発電所近辺での航空機の衝突および爆発、発電所付近のガスコンテナや石油タンカーによって引き起こされた事故、火事など。テロ攻撃(航空機衝突、爆発)と匹敵する損害も含む。

3.予防策およびその他のテロ行為や悪意のある行為

テロ攻撃に対する予防対策 ― 最初の段階で攻撃を阻止するあらゆる手段を意味する ― は、テロ対策の専門家や国家安全保障のための省庁職員などを参加させるなど、別途対処する。その理由は、テロ対策は国家安全保障問題に関わるからだ。対テロ作戦が行われる方法は、公にはできない ― ストレステストが公開されたとしてもだ。これらの課題について委員会は、欧州連合加盟国と協調して作業を行う予定だ。

公的に発表してきた予防対策のひとつの例として、航空機が原子力発電所に近づくと、霧を発生させるフォグ・システムがある。霧は、パイロットの視界を弱めるので、原子力発電所に狙いを定めることがほとんど不可能になる。

電力カット(停電)とは何か?

自然災害であれ何であれ原因に関係なく、発電所は、電力供給が断たれた際に、電力システムが十分バックアップされることを証明しなくてはならない。当然、電力は何日か完全に失われることを想定する。また、第一のバックアップシステム(バッテリー)が作動しない場合、どうするかを記述しなくてはいけない。第二のバックアップシステムの場合など、連鎖反応を記述する必要がある。

詳しくは何を評価するのか? 自然災害についてはどのように評価を行うのか?

地震については既に過去に再調査されている。EU内の各原子力発電所は、運転を開始する前に、広範囲の認可手続きを経ている。原子力発電所が地震の危険のある地域で稼動されている場合、オペレーターは、発電所設計の仕様がその地域で起こりうる地震のマグニチュードに耐えうることを証明する必要がある。地震のリスクを算定するため、過去の経験を標準的に考慮に入れている。マグニチュード6が観測された地域では、再びそのような地震が起こると想定された。そのため、その地域に建設される発電所は、同程度の地震が起きた場合には自動的に稼動とシャットダウンができるように建てられる必要がある。同様のことが、洪水やその他の災害にも当てはまる。

ストレステストにおけるより高度な安全域 : 福島の事故は我々に、地震の規模は過去にその地域で起きた規模よりも、もっと大きくなる可能性があることを教えてくれたので、ストレステストは、より高度な安全域を含んでいる。発電所が、マグニチュード6に耐えうるよう建設されたなら、もっと大きな規模に耐えられることを証明する必要がある。実際には、このマグニチュードですべての業務が安全に行われる ― 原子炉は安全にシャットダウンし、電力は供給され、放射性物質が放出されるのを防ぐよう封じられる ― ことを意味している。同様のことが洪水およびその他の自然災害にも当てはまる。

この“より高度な安全域”のEUとしての定義はあるのか?

ない。地震の危険性のない地帯、もしくはリスクのかなり低い地域の発電所に、必要のない負担をかけることになるので、143基すべての原子力発電所が、マグニチュード8程度の地震に耐えうる必要性はないだろう。このような理由から、この追加の安全域を定義するのは、国家的な監査官である。

航空機事故はどのように評価するのか? テロ攻撃や爆発は?


発電所が建造される過程から、衝撃が原子力発電所の抑制に深刻な損害を与えるかどうか議論することは可能だ。技術者は、予想を立てるため次のデータを採用している : 使われている素材(コンクリートやスチール)、壁の厚さ、航空機のデータ ― 飛行機の重量、発電所に接近するスピードなど。発電所における影響は、格納容器に損害を与えるかどうか、または火災を発生させるかで測定する。それが偶発的な事故なのかテロリストによる計画的な行為なのかに違いはない。

同じことが爆発と火災にもいえる。専門家は、発電所が近辺で起きた火災や爆発に耐えうるかどうか、発電所の設計図から査定することができる。ガスコンテナや石油タンカーによって引き起こされたか、テロリストが起こした爆発かで違いはない。

テストはどのように実施されるのか?


テストは三段階で行われる。

1.事前評価:発電所のオペレーターは、ストレステスト質問用紙のすべての質問に答えて、異なる状況ではどのように発電所が反応するかを記述しなくてはならない。その記述を裏付けるため、工学技術の学術論文を提出しなくてはならない。

2.ナショナルリポート : 第二段階として、国家的監査官が事前評価を精査し、仮定が信用できるかどうかチェックする。監査官は発電所の特殊な設計図を心得ているので、即座に制御を行い、最良の状態にセットする。

3.査読 : 第三段階として、監査官によるナショナルリポートは、欧州原子力安全規制機関グループ(ENSREG)の他の監査官(各国で原子力安全性に責任を負う27人の独立した国家的専門家)に査読される。査読は、次の7名からなる監査官のチームで行われる。

*欧州委員会の代表者1名

*ENSREGの常任メンバーから2名。この2名は、原子力を持つすべての同盟国の14のナショナルリポートを照合する査読チームすべてに加わる予定だ。これは、テストの一貫性を保証するためである。

*ENSREGの一般メンバーから4名

各チームの構成は、欧州委員会とENSREGの協同で決定される。

制御するため、発電所内部にも入るのか?

入る。査読チームは、発電所に入ることをきちんと許可されている。欧州連合加盟国は、彼らに発電所にアクセスする権利を与え、即座に、どのような方法でも制御できるようサポートする。

チームは独立した専門家たちか? 

国家的監査官は当然、彼らの政府や産業界から独立している。科学者、NGO、原子力分野からの専門家もストレステストの結果を討議することができるし、公表することも、セミナーで議論もされるだろう。

国家的監査官が、すでにチェックしたものを検査するとしても信用できるのか?

新たな基準 : 監査官が過去にチェックしたものは、再度検査されることはない。ストレステストは、一連の質問と新しい基準で行われる。自然災害、航空事故や電力供給のためのバックアップシステムといった、より高度な安全域が含まれている。

査読 : 査読者は、全プロセスにおける信頼性と説明責任を保証する。27人の国家的監査官のうち、14カ国だけが原子力発電所を保有しており、13カ国は保有していなくても。

透過性 : すべてのナショナルリポートと査読の結果が、公表される予定だ。結果は、独立した専門家、非政府組織や、招へいされるべき分野の専門家が集まるセミナーでも議論されるべきである。

テストはいつ始まるのか?

遅くとも6月1日から始まる。

査読の最終結果はいつ出るのか?

2012年4月末までに出る予定だ。

いくつかの欧州連合加盟国は、既に自国でストレステストを実施している。これらの国はEUのテストに参加しなくてよいのか?

いくつかの加盟国は、ENSREGで議論した内容に基づいて早い段階で開始している。EUの広範なプロセスの定義により追加された基準も検討されることを求める。

すべての原子力発電所がテストされるのか?

そうだ。EU内にある既存の発電所、および計画中のものすべてが、同意を得た共通の基準と方法論を使用して再評価される必要がある。

発電所がテストを通らなかったらどうするのか?

ナショナルリポートと査読の成果(アウトカム)に基づいて、欧州連合加盟国は、評価の成果をどのようにフォローするか決定を行う予定だ。個々の設備に対する決定は、国家の責任にとどまる。アップグレードが技術的、または経済的に実現不可能という場合、我々はその原子炉が閉鎖されることを信じている。

テストを通らなかった発電所を国が廃止しなければどうするのか?


委員会は、国家的権威を持つ報告書および査読を発表する予定だ。このことは、結果が公になり、政府はなぜそのような決定を下したか、なぜ廃止しないのか説明しなくてはいけないことを意味する。

災害に国境はないことを考慮すれば、欧州連合の近隣国もこのテストを実施するのか?

委員会は、他の国、特に原子力設備を操業中のスイス、ロシア連邦、ウクライナ、そしてアルメニアにも評価を拡大する作業を行っている。最初の反応はポジティブで、ロシアは既に、国際的原子力安全性のフレームワークを改良するための具体案を作成している。

委員会は、国際原子力機関(IAEA)や第三世界の国に専門技術を提供する準備も行っている。安全な見直しを遂行し、国際的な法のフレームワークを一層展開させて、特定の国における生産量を調整する。第三世界の国に対する補助的な財政援助の提供を考慮することもできる。

報告書が作成された後はどうするのか?


欧州理事会は、委員会に既存のEU原子力安全性フレームワークを見直すよう依頼した。委員会の提案書には、ストレステストの結果が十分考慮に入れられる。既存の原子力安全性通達(2009年6月25日)は、国際原子力機関(IAEA)によって作成されたいくつかの安全性要綱に強制力を与え、欧州連合加盟国の原子力安全性の施行に対する権限を残している。


原文:2011.5.25 EUROPA
http :// europa.eu/ rapid/ press ReleasesAction.do?reference=MEMO/ 11/ 339&format=HTML&aged=0&language=en&guiLanguage=en

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福島の事故を受けたEU内のストレステストが6月1日に開始
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EUROPAというEUが運営するサイトに、6月1日からEU内原子力発電所で行われている
ストレステストのプレスリリースが掲載されていたので、ご紹介します。

テストの詳細が書かれたQ&Aについては、7月21日に掲載する予定です。


eu_nuclear_power_plants_2010_logo.jpgNuclear Power Plants in the European Union - 2010

2011年6月1日から、EU欧州連合内すべての原子力発電所143基が、EU広範基準を用いて再評価される予定だ。これは、委員会が要求する総合的な検査で、自然による災害および人災両方(航空事故やテロ攻撃の影響など)を含むものとなる。欧州委員会と欧州原子力安全規制機関グループ(ENSREG)は今日、カバーされた基準および、実施される管理方法に合意した。

エネルギー担当欧州委員のギュンター・エッティンガー氏は、「委員会とEU加盟国の監査官が、原子力発電所に対する総合的で意欲的なリスク安全評価に合意できたことを感謝する」と述べた。「我々は、欧州連合内および近隣の原子力発電所に対する、最も高い安全性基準を実施することに努力を惜しまない。厳格な態度で基準を実行するという、骨の折れる作業が始まる」

欧州委員会および欧州原子力安全規制機関グループ(ENSREG)―原子力安全性に責任を負う、27人の独立した国家的権威たち―は、EU原子力発電所の総合的なリスク安全評価に対する適用範囲や手順に、本日同意した。ストレス(負荷)テストは、EU原子力発電所の安全域(安全性の限界)に対する再評価である。世界中で、最も高い基準を保証することで、EUは福島事故からの教訓を描き、あらゆる自然災害を想定した検査に焦点を当て、テロリストやその他の悪意ある攻撃と同様に航空事故といった人災がもたらす影響へのテストも含んでいる。

テロによる攻撃を未然に防ぐ度合いといった、安全に関するすべての面において、とりわけ機密性が必要と認識される欧州連合加盟国との話し合いにしたがって、テストは個々に対処される予定だ。


6月1日から、原子力発電所は次の3つの段階を踏んで、再評価される。


◆ストレステスト質問用紙に原子力発電所オペレーターが回答するといった事前の評価が行われ、必要な書類、論文、図面を提出する。


◆国家的監査官は原子力発電所オペレーターが書いた回答が妥当かチェックをして、ナショナルリポートを作成する。


◆専門家による査読を行う。多国籍チームはナショナルリポートを見直す。チームは7人のメンバーから成り、1人は欧州委員会から、残りの6人は27人の国家的監査官から選ばれる。各チームの正確な構成は、後ほど決定される。チームは現地で原子力発電所を検査することを決めることができる。


委員会はまた、EU外の国とも緊密に連絡を取り、それらの国の原子力発電所の再評価に取り組んでいる。取り組んでいるのは特に、スイス、ロシア連邦、ウクライナとアルメニアである。


バックグラウンド

3月11日の福島における原子力事故を受けて、欧州委員会はすべてのEU原子力発電所の再評価を強く求めた。その目的は、この事故から学び、EU内で類似の災害が起こらないようにするためである。

2011年3月24、25日に行われた欧州理事会は、日本で起こった事故から十分に教訓を描き出し、人々に必要な情報をすべて提供する必要があると強調した。エネルギーミックスがEU加盟国の資産であることを思い起こし、理事会は、今後の局面において優先度が高い事項として、一連の措置を進めるよう依頼した。



EU内の原子力発電所すべての安全性は、総合的で明白なリスク安全性評価(ストレステスト)に基づいて見直されるべきである。欧州原子力安全規制機関グループ(ENSREG)および委員会は、できるだけ早く、日本の事故から学んだ教訓を考慮した組織的なフレームワークに則るストレステストの適用範囲と手順を展開するよう招へいされている。また、EU加盟国の強い連携により、有用な専門家の知識(特に西ヨーロッパ原子力規制者会議、WENRAからの専門家)をフル稼働することで、評価が独立した国家的権威により実施され、査読を通して、彼らの成果と次に取るべき手段が委員会およびENSREG内に共有されるべきであり、人々にも公開されるべきである。欧州理事会は、委員会から提出された報告に基づいて、2011年末までに第一回の調査結果を評価する予定だ。

further information
http :// ec.europa.eu/ energy/ nuclear/ safety/ stress_tests_en.htm


原文:2011.5.25 EUROPA Gateway to the Europian Union
http :// europa.eu/ rapid/ press ReleasesAction.do?reference=IP/ 11/ 640&format=HTML&aged=0&language=en&guiLanguage=en
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