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スポーツの魂が失われるとき

ファン・リーグ(ファン同盟)
by ラルフ・ネーダー(Ralph Nader)
アメリカの弁護士・社会運動家。緑の党および無所属候補としてアメリカ大統領選に4度出馬している。

真面目な読者が新聞を読むとき、なぜ真っ先にスポーツ欄を開くのだろうか? スポーツ記者やコラムニストが書いた、面白い試合を演じたチームの記事を読みたいからだと思う。スポーツ記者たちは、他の同業者とくらべて、わりと自由に独創的な単語やフレーズを使うことができるからだ。

厄介なのは、今まで以上に組織化され、商業化されたスポーツが、試合から面白みを吸い取っていることだ。億万長者プレイヤー対億万長者オーナーの闘い ―最近の、アメリカプロフットボールリーグ(NFL)の閉鎖や 全米バスケットボール協会(NBA)のごたごた― についてだけ言っているわけではない。我々のスポーツファン・リーグの政策ディレクター(League of Fans Sports Policy Director)であるケン・リード(Ken Reed)が、「どんなことをしても勝つ(win-at-all-costs:WAAC)、どんなことをしても儲ける(profit-at-all-costs:PAAC)精神、ポリシー、決断。それらは、プロスポーツからリトルリーグにいたるまで、さまざまな弊害をもたらす」と、公言していることにも言及している。「WAACおよびPAACが暴れ狂うと、―選手やファン、そしてゲームにとって何がベストかを乱暴に押しのけること― スポーツはその魂を失い始める」


リードが最初に書いた10の「ファン・リーグ」レポートによると、この“魂の病気”に対する事例を27ページのスポーツ・マニフェストに記している。風土的な範囲でしばしば悪質化する問題について、特に何も行わないのに頻繁に暴露されてきたことは驚くべきことだ。


市民活動のためのリストを、リードは次のとおり提示している。

―大学と高等学校の体育プログラムにおける教育の退廃

―プロ選手から我々リトルリーグにおよぶまでの猛烈な商業化

―裕福なオーナー向けの公的財源を使用した競技場

―プロおよびカレッジフットボール試合におけるパーソナル・シート・ライセンス(PSLs)(ただ単にシーズン チケットを買う権利を得るだけ)を購入するよう忠実なファンに強制する行為

―ボウル・チャンピオンシップ・シリーズとして知られているフットボールDivision I のスポーツ・カルテル

―BCS(basic control system)蚊帳の外に置かれた協議会や学校のために収益や機会を制限する(e.g.国内選手権大会での正当な機会)

―ファンの声が反映されないプロスポーツリーグへのストライキ

―税収入で建てられたスタジアムでの法外な値段のチケットおよび値引きチケット(ほとんどの場合、チケット、割引、売買、駐車収益などが概してフランチャイズオーナーの元へ流れる)。加えて、納税者によるスタジアムからテレビ中継されない。

―学内の他のプログラム予算や他の学生への体育授業を犠牲にしての、高等学校や中学校におけるエリート競技チームへの集中

―たとえ大学試合でプレイ中に負傷したとしても、医療費を支払うために大学の花形選手を必要とする慣習

―連邦教育法第9編や他の公民権に反する、女性、身体障害者、有色人種に対する機会の不平等

―教育的ミッションに反する財政的な青少年クラブスポーツ組の急増

―時期尚早の子どもアスリートの専門化およびプロ化

―全ての年代、男女ともに、運動能力向上薬使用の増加

―お粗末なスポーツマンシップ事件がエスカレートした結果、スポーツの理想の核心、価値観、倫理の腐食

―スポーツ障害の増加、驚くほど多い脳震盪

―フィジカル・フィットネスの減少にともなう肥満症の恐ろしい増加 ―特に若者たちの間で著しい

―全てのスポーツの場、気味が悪いことにたいてい若者の場に存在する非人間的なコーチ


大学チームの代表プレーヤー、コーチ、マーケター、教師であり、作家であるリードは、たくさんの悩める選手や動揺しているスポーツ愛好家と連絡を取り合っている。その中には、選手の両親や、現役および引退した選手、主要なアナリスト、高等教育の教員、教育者、内科医、リポーター、民事弁護人などがいる。冒頭に書いたように、ファン・リーグは、金持ちの利権行為(ジェファーソン主義者が使用した言葉)を抑えるだけではなく、町内プレイヤーのようなより多くの一般のスポーツ参加者に機会を拡げるために、 強く、発展していく改革を構築したいのだ。プレイヤーは少なすぎるし、観衆は多すぎる ―スポーツ報道はこの現実にもっと注意を払うべきだろう。


スポーツ報道を悩ます問題が存在するのに、その莫大なスペースと時間がほとんどプロフェッショナルスポーツに充てられた。観衆と一般のスポーツ参加者間の不均衡に対する、大いに無関心な姿勢をしのぐものである。たくさんのスポーツ愛好家の懸念が、特別な場合の調査報告や虐待を記録したコラムに基づいているにも関わらず、一般人として何か行動を起こそうとすると、マスコミ報道があったとしても、その努力は骨折りとなる。


読者や視聴者に怒りや冷笑、フラストレーションを引き起こす以外に、この陳述におけるポイントは何かというと、読者のみなさんがこの情報をフォローアップするために使用し、何かをするべく警鐘を鳴らすことで、スポーツメディアが反対方向を見て、ふくれっ面をしたり練習に遅れてきたりする、あるアスリートにスペースを割くようになるだろうか?


スポーツ報道は、ニュースに値する品質を得るための広範な視点についてもう少し内省するべきだ。そうでなければ、何も考えずに大リーグ級のスポーツビジネスを報道し続けることだろう。スポーツ記者は、わずかな例外をのぞいて、いっそう遠ざかろうとしているファンに対する強欲と鈍感さにほとんど規制がないことを知っているからだ。


ファン・リーグでは、あなたのご意見、ご質問をお待ちしています。
League of Fans wants to hear from you. E-mail comments/questions to
ken.reed@leagueoffans.org
or write to League of Fans, P.O. Box 19367, Washington, DC 20036.

Ralph Nader is the author of Only the Super-Rich Can Save Us!, a novel.


原文:2011.6.28 counter punch
http://www.counterpunch.org/nader06282011.html


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