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日本のTPPへの早期決定 : 絵に描いた餅になるのか、それとも信頼できる公約になるのか?
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「環太平洋戦略的経済連携協定」通称TPPへの参加については
国内でも意見が分かれていますが、海外では日本の姿勢がどのように
報じられているのか探したところ、EAST ASIA FORUMというサイトで
オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の政治学の教授が書いた
記事がありました。

驚いたのは、アメリカによる日本への「GAIATSU」というように
「外圧」という言葉がそのまま使われていたことです。

海外でも日本がアメリカの外圧に弱いことは常識なのでしょうか。
アメリカを始め世界各国から何といわれようと
レアアースは国内消費を優先させる立場を崩さない中国を
少しは真似てもよいような気もします。

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菅総理大臣が、木曜日の内閣不信任決議を切り抜けたことを考慮すると、先のG8主要国首脳会議で、早い時期に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に日本が参加できるよう決断すると、交わしたコミットメントを果せる立場になるかもしれない。

その案件は、菅総理とオバマ大統領との間でなされた会談で持ち上がった。菅―オバマ対談の背景には、震災の後、日本がTPPのような国際的な課題に対して、内政重視の姿勢を取り入れるであろうといったアメリカの懸念がある。もう一つ暗黙の憂慮は、総理大臣に向けたものだ。彼の内閣は弱く、TPPといった国内の調整や時間を要するものは、非常に困難な課題になるかもしれないからだ。

そのため、TPPに関する菅総理のコメントは一層驚くべきものだった。「TPPに参加するかどうかの決定期日は、地震により遅れたが、包括的な話し合いを経てできるだけ早く決定したい」  大統領は明確に答えた。「TPP がアジア太平洋地域の発展に貢献すると信じている。日本が、地震があったにも関わらず参加を検討していることに感謝している」 オバマは、日本にTPPに加入するよう圧力をかけているというよりは、激励の言葉を述べているアメリカ合衆国通商代表部のロナルド・カークのような口調だった。

だが、交渉となると話は別だ。日本は、市場参入問題、特に農業の問題について、アメリカからの強い外圧を予測できるだろう。外圧は数十年間にわたる、日米間の貿易交渉の一貫した主要問題であったし、日本市場開放の成功にさまざまな度合いで高い評価を得てきた。

日本およびアメリカ両国は、TPP を同じようなレンズで見ていると論ずることができる。つまり、アジアの急速な成長をとげる経済と貿易をすることで、自国の経済を回復させる目的なのだ。このように、拡大した輸出をとおして、経済成長をたくらんでいる。

共通の目論みを越えて疑問なのは、交渉において、どの範囲でアメリカと日本の経済と貿易の利害を一致させるかである。日本のTPP反対論者は、アメリカが TPP内で主要な権力を持つようになることを警告している。アメリカの利益に適するよう交渉に影響を与えるだろうと。最終合意のタイミングや、国家機密を扱う多くの分野を十分な議論を経ず結果を出してしまう恐れがある、TPPの協議事項を支配するだけではなく、日本にとって、アメリカの圧力は、自国にとって好条件となる交渉を不可能にすることを必然的に意味する。日本経済研究センター、シニア・フェローの小島明は、アメリカによってTPPがアジア太平洋にスポットライトを浴びさせたと2009年11月に表明して以来、この協調関係に参加するよう求め、アジアの急成長する経済と関係を強めることになるだろうと述べている。TPP の交渉は、ワシントンのペースで事を運んできた。

日本で率直にアンチTPP を唱えているひとりが、京都大学准教授の中野剛志だ。彼は主張する。「政府がTPP への日本の参加を急いでいるのは、国がワシントンに依存していることを強調する外交的スタンスに動かされているのだ。有益になるような交渉のルールは、不可能と隣り合わせなのだ」 TPP交渉では日本がアメリカの言うことを拒否できないだろうというのが、この意見の趣旨だ。

もし日本がTPPに参加すれば、アメリカとともに自由貿易協定(FTA)に調印することに等しい。事実、アメリカは、TPPの目標は過去のFTAの目標を上回ることを明らかにしている。日本の農業協同組合組織『全国農政連』が政治的に得たリポートによると、2011年2月の時点で参加を表明していたTPPメンバーがチリで5回目の交渉を行い、そこからリークされた情報は、アメリカ合衆国が物品の貿易自由化のリストの全項目を例外なく含むよう提案していることをほのめかしている。このことが少なからず日本農業の圧力団体に警鐘を鳴らしている。

経済アナリストの三橋貴明は、アメリカのTPPの目的は、農業の市場参入という問題を超えて拡大する“究極の日米FTA”ということになると主張する。三橋が「増加するメンバーは、日本におけるTPPの問題は農業の問題ではないし、エレクトロニクスや車などの産業を輸出するための問題ではないと、気づき始めているかもしれないと私は思う……」と書いているように、アメリカには、日本にTPPに参加してほしい理由があるのだ。それは非常にシンプルで明白だ。アメリカは国内雇用の利益のため、日本に非関税障壁を廃止してほしいのだ。それこそが、アメリカが求める《日本の規制緩和》であり、要するに、1989年の日米構造協議や1993年の日米包括経済協議、そして次の日米規制改革および競争政策イニシアチブを彷彿させる、日本の機構改革に対する外圧を意味する。三橋は言う。「“極端な機構改革”は、TPPの真の恐怖である」

三橋の意見の趣旨は、アメリカが本当に狙っているものは、日本の金融および保険市場にアクセスすることであり、そのことは、郵便事業の民営化と引き換えに政府案が未決定となっているため、実現をより困難にしている。政府が後ろ盾している日本郵政公社がもたらした、これらの市場における不公平競争に対する不安は高まっている。アメリカも、日本政府の調達市場に参入することを視野に入れて、拡大したTPPの運用部門の自由化を行うべきだという不安もある。三橋は、平成の日本開国というよりは、平成の日本崩壊を引き起こすかもしれないという見方をしている。

Author : Aurelia George Mulgan , UNSW@ADFA

Aurelia George Mulgan is Professor of Politics at the University of New South Wales , Australian Defence Force Academy .


原文:2011.6.2 EAST ASIA FORUM
http://www.eastasiaforum.org/2011/06/02/japan-s-early-decision-on-the-tpp-pie-in-the-sky-or-credible-commitment/

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