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マードック事件 :本当に何かが変わるのだろうか?

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America's Best Political Newsletter "Counter Punch" から
『The Duel : Pakistan on the Flightpath of American Power』の著者
Tariq Ali氏が書いたイギリスのマードック事件に関する記事をご紹介します。
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イギリスの政治文化の腐敗は、長い間この国の多くの人が偽りにより意のままに操られてきたが、ここ数週間で、公に晒され始めた。この国の最も権力のあるメディア界の大物が、彼に都合の良い日曜紙 ― ニューズ・オブ・ザ・ワールド(セレブのセックス・スキャンダルを専門にしたり、殺人捜査や失踪などに関する内部情報を得るため警察と密接なつながり持ったりした)を ― を廃刊することを余儀なくされた。

彼らは、殺人事件の犠牲者の携帯電話にハッキングして盗聴するなど度が過ぎたことを行い、そのせいで、犠牲者はまだ生きているという印象を作り出してしまった。

このことは、この国の政治家や古参の警察官の心に火をつけ、全国的な嫌悪を引き起こすきっかけとなった。なぜデーヴィッド・キャメロンは、首席報道官として重鎮マードックを雇ったのか? なぜスコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)は、同じ組織からもう一人ジャーナリストを雇ったのか? もちろん私たちはなぜか知っている。しかし、激しい怒りとなったこの事実は、理由を受け入れがたいものにしてしまう。

まさに突然勃発したイギリスのスキャンダルであり、またたくまに国民の関心の的となった。権力、金、セレブ主義の泡にまみれた世界の外に住むほとんどの人は、この下にあるのは病んだ政治(サイコ・ポリティックス)だと感じている。だが、人々は、この国の銀行家、メディア界、政治家、裁判官、そして警察の堕落した政治組織に対して抱く心からの怒りに代わって、ある部分では逃避している。経済は混乱していて、耐乏が求められている。スコットランドはひどく不満を抱いているが、少なくとも国会議員はルパート・マードックとその息子に問いただすことができるし、彼らが人前で謝罪し縮み上がる姿を見ることだってできるのだ。

マードックは、二度生き返っている。一度目は、ロンドン警視庁が経費をごまかしているのを暴露し、シンガポールに勧められた透明な模範に従うよう責めたことで『デイリーテレグラフ』を賞賛したとき、二度目は、抗議者にシェービングフォームを投げつけられたときに、妻のウェンディ・マードックが男を撃退したことである。その他に、マードックは二人で良い芝居をして見せた。崩壊の後、エンロン社のエグゼクティブのように思われた息子のジェームズと目に涙をしたためたルパートは、ガリポリでの惨事を公けにした聡明な父からどのようにジャーナリズムを学んだかを説明した。リハーサルされたドラマだったのか? いくらマードックがBスカイBを入手しないとしても、本当に何か変わるのだろうか?

マードック帝国は、マーガレット・サッチャーの時代からイギリスの政治を支配してきた。彼女はマードックに衛星テレビ放送を与えた。マードックは印刷労働組合を潰し、彼の新聞は鉱山労働者を滅ぼすのに一役かった。彼は、民営化と自由市場教義と戦争を賞賛するカルチャーを作り出す道具となった。(世界のさまざまな地区にある300近いマードックの新聞すべてはイラク戦争を支持している)サッチャー=マードック連合により解き放たれた右翼人民主義は、第二次世界大戦後に作り出された民衆の精神を去勢した。この支配力はとても強かったので、他の新聞やテレビネットワーク(チャンネル4やBBCなど)は自信を喪失し、発行部数や視聴率に追われる活気のない類似品となってしまった。階層や信条、人種を問わず多くの人に愛されたクラシック音楽はエリート主義とみなされ、 BBC2での放映は許されない。

サッチャーの後継人であるトニー・ブレア、そしてゴードン・ブラウンは金とマードック崇拝を続けてきた。 ブレアは、メディア界の大物の前で絶えず自分の品位を落としてきた。ブラウンも同じだった。マードックの報道編集者は、公邸でのお馴染みのゲストになっていた。彼らの個人的なパーティには決まって首相とその側近が出席した。つい先日、マードックは、ゴードン・ブラウンと頻繁に会っていると述べた。彼らの家族とは友人であると。デーヴィッド・キャメロンはその尻馬に乗り、彼の階級にも関わらず、ブレアのようになって、金と政治につながるものはすべて、誰でも抱擁する姿勢を明白にしている。

ピーター・オボーンは、常に保守的な『デイリー・テレグラフ』に記事を書いているジャーナリストで、キャメロンのきらめくほとんどのポートレートを提供していて、いかがわしいチッピング・ノートン・セットの一部になったことで、意識的に下水管に降りていったことを暗示している。

「キャメロンは、『ニュース・オブ・ザ・ワールド』の編集者であるアンディ・コールソンを通信指導者として雇うべきではなかった。ルパート・マードックに近づくべきではなかった。そして、何よりも最悪の間違いは、巨大メディアの『ニュース・インターナショナル』社の最高責任者リベカ・ブルックスと親しく付き合うべきではなかったのだ。彼女が不名誉と恥辱にまみれた会社から立ち去るのは単に時間の問題だろう。私たちはここで挙動のパターンについて話しているが、実際に、方向性として説明するにふさわしい。キャメロン氏は、自分が尊敬されることのない社交グループ引きずり込まれることを許し、イギリスの首相を放任し、見られたくないところを見られなければならない」

キャメロンは、党の操作をするにあたって、ブレアのように権威主義者で日和見主義者に見せかけた。しかし、この火山爆発のようなスキャンダルから政治的溶岩が流れ続けるとしたら、当分の間、暴露した物事によって傷つけられるイギリス首相は、自分の剣を取る以外選択はほとんどないだろう。私たちはその段階まで到達しなかった。

そうした中で、イギリス議会における三者の合意は新自由主義とヨーロッパ中を荒廃させたその教義を捨てないだろう。マードックのボロボロのメディア帝国と異なり、立ち去らないことが問題である。

By TARIQ ALI
Tariq Ali is the author of The Duel : Pakistan on the Flightpath of American Power .

原文:America's Best Political Newsletter " Counter Punch "
http :// www.counterpunch.org/ tariq07202011.html


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