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EUが福島の事故を受けて、原子力発電所のストレステスト実施へ
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すったもんだの末、日本における原子力発電所のストレステストは
2段階方式で行うという政府の統一見解が7月11日に発表されました。

EUでは福島の事故を受けて、かなり早い時期(3月15日)に、ストレステストの実施を
決定しています。

ヨーロッパの「Radio Free Europe」というサイトで、
その決定に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。

印象に残ったのは、EUエネルギー担当欧州委員のギュンター・エッティンガー氏の
迅速な行動と、テストの必要性に対する強い信念が感じられる言葉でした。

また、ヨーロッパ有数の大手エネルギー会社であるドイツのエーオン社
CEOであるヨハネス・テイセン氏も安全性規格の改良を全面的にサポートする発言をしていることです。

EUはさまざまな国家の集合体であるのに、ヨーロッパ全体に関わる危機管理に対して
このような迅速な決定と意思統一をすることができるのです。

うらやましいと思うのは、私だけでしょうか。

         

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ブリュッセル―― EU(ヨーロッパ連合)エネルギー担当欧州委員のギュンター・エッティンガーは、日本の福島原子力発電所で明るみになった原子力事故を受けて、EU全体の原子力発電所でストレステストを行うことを発表した。

ヨーロッパの原子力発電所における安全性の問題を討論するため、エッティンガーは、27カ国すべてのEU加盟国から、エネルギー大臣、および原子力のオペレーターや取締官の代表をブリュッセルの緊急会議に召集し、この決定を出した。

「すべてのEU加盟国の原子力発電所において、ストレステストを導入する旨、今日の午後、全体の同意を得られたことを感謝している」とエッティンガーは述べた。

ストレステストは、設備をさまざまな自然災害(地震や津波など)に対して、どのように対処させるか決定するコンピュータシミュレーションを含む。テストの内容は、原子力発電所が海岸沿いに位置する場合や地震のリスクがある場所に位置する場合によって、異なるものになるだろう。

エッティンガーは、テストの基準や規格を定めるため、エネルギーの専門家による会議の開催を来週中にも予定したいと述べた。「6月以降の日取りになる可能性もあるが、“できるだけ早く”テストが行われることを期待している」

EU は、エネルギー問題を拘束する決議を始動する、法的な権限を持たないため、テストは各加盟国で自主的に行われる。「それにもかかわらず、出席した加盟国のコンセンサスを得られ、EU圏内にある143 基すべての原子力発電所でテストされることになった」とエッティンガーは述べている。

広範な呼びかけ

産業界の代表たちもストレステストの構想をサポートしている。ドイツの大手エネルギー会社エーオンのCEOであるヨハネス・テイセンは、安全性の規格は改良されるべきだと述べた。

EUエネルギー担当欧州委員のギュンター・エッティンガーは言う。「実際のことろ、何事も制御することはできない」

「何の疑いもなく学んだ教訓がある」テイセンは述べる。「我々は、現在の安全性規格に頼ることはできない。規格は改良される必要があるし、この取り組みをサポートし、規格を改良して適切なものにするためにはどんなことでもする」

EUはまた、世界規模の原子力発電所ストレステストの実施について、国連国際原子力機関(IAEA)との協議も始めている。近隣国のロシア、スイス、そしてトルコもヨーロッパの活動に参加するよう促すと、公的に発表している。

3月15日の決定は、ドイツの首相アンゲラ・メルケル氏に、老朽化した原子炉を一時閉鎖する決定を促した。

「日本の状況を考慮すれば、我々はすべての原子力発電所の安全性チェックを行うべきだ」メルケルは言う。「連邦政府と各州はそれに同意している。1980年以前に稼動された原子力発電所は、とりあえず3ヵ月の間、一時停止される予定だ。適格に稼動していない可能性があるからだ」

この決定は7基の原子炉に影響を及ぼすだろう。

3月14日、メルケルは、昨年なされた3ヶ月一時停止の決定は、ドイツにある17基の原子炉の最後のひとつの電源が切られる2030年半ばまで先送りされていた、と発表した。

制御不能―― Out of Control

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EUエネルギー担当欧州委員ギュンター・エッティンガー氏



世論調査によると、ドイツ国民の大多数は、原子力エネルギーに反対している。メルケルは、数週間のうちに行われる重要な地方選挙に直面しているのだ。

テイセンは、首相の動きがドイツに電力不足をもたらすかどうか推測しないと述べたが、そのリスクは増加するだろうと付け加えた。

「私は、限られた時間でこのような状態を予見するのは、誰にとっても賢明ではないと思う。なぜなら、需要と供給や、送電の安定供給、その他さまざまな問題などいくつかの要因に、明らかに関係するからだ」テイセンは述べる。「私たちは数年前に、送電線のちょっとした故障がシステムの大きな不具合をもたらしたことを経験している。この新たなシステムの不均衡による些細な事故が、重大な影響を与える可能性はある」

エッティンガーは、以前、日本の原子力事故を“ ヨハネの黙示録 ”と表現した。「東京は、福島第一原発での事故をほとんど制御していない」と。

「実際のところ、何事も制御不能なのだ」エッティンガーは付け加えた。「私はこれからの時間、これからの日々に起こりうる最悪の事態を排除することはできない」

By Rikard Jozwiak

原文:2011.3.15 Radio Free Europe
http :// www.rferl.org/ content/ eu_hold_stress_tests_nuclear_plants/ 2339411.html





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